
本件は、100年以上続く老舗企業が本店敷地として使ってきた不動産を、株式譲渡と一体で引き継いだ不動産M&Aの事例です。対象の土地は約20筆で、国土法の届出が必要な広さでした。敷地には事業用の建物と蔵、住居、借地権付建物、貸家などが混在し、多くが親族の共有持分でした。
最初のご依頼は不動産の査定でした。多様な利用状況を丁寧に評価し、他社の査定を大きく上回る価格で買主様と合意しました。そのうえで、会社の株式と、親族個人が所有する不動産を、切り離せない一つの取引として同時に譲渡しました。
不動産の課題としては、共有者全員の合意、農地転用、里道・水路の払下げ、セットバック部分の測量、井戸や埋設物の確認がありました。さらに、築年不詳の蔵を含む建物の登記整備が必要で、数世代前まで戸籍を遡って保存登記や更正登記を行いました。会社側では、株主の移り変わりを確認したうえで定款を変更し、株式譲渡に備えました。
決済の1週間前には共有者のお一人が亡くなりました。それでも相続登記と移転登記を同時に申請し、予定どおりの期日に決済を完了しています。
権利と利用が入り組んだ不動産でも、株式譲渡を組み合わせれば円滑に承継できることを示した案件です。
